1.1 複雑な形

複雑系と呼ばれる事象は数学的にどのように認識されるのかについての本。
複雑系の数理

長さ尺度を例に。
単位尺度rを用いて、求められる長さをL(r)とする。
このとき、L(r)はrについて減少関数。
マンデルブロは海岸線について
L(r)\approx r^{1-D}
が成立することを発見した。
現象がべき関数であらわせるとき、べき則に従うといい、成り立つrの領域をスケーリング領域という。
上式のDをフラクタル次元という。
L(r)=rN(r)
とおくと、N(r)は尺度で測った回数となる。
今、rを\frac{r}{2}としてみると
L(\frac{r}{2})=cL(r)...(c \geq 1)
となる。c=1のときは直線などの滑らかな直線のとき成り立つ。
上式は関数方程式なので、べき関数が解となる。
すると、
D=1+\frac{\log c}{\log 2}
と表せる。

c>1(D>1)のとき、フラクタル図形という。
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