微分方程式で数学モデルを作ろう 2章

今週のMIKUの内容とscilabの利用を少々。

条件
・濃度をC(t)とする
m \leq C(t)\leq Mをみたす
C(0)=mをみたす
・単位時間当たりの投与量をQ(t)=( 一定 \)\geq 0とする
C(t)Q(t)\frac{dC}{dt}=-kC+qをみたす(ただし、q(t)=\frac{Q(t)}{V})
min\{\int_{0}^{T}q(t)dt\}をみたす
・濃度がC(t)=MとなったときはC(t)=mとなるまでQ(t)=0とする
をみたすようなq(t)を求めたいとします。

まず、km \leq q(t) \leq kMのとき、
C(t)=(m-\frac{q}{k})e^{-kt}+\frac{q}{k}
となり、
濃度 \frac{q}{k} にそのまま収束します。

次に、 kM < q(t) のとき、
0 \leq t \leq T_{1} で、
経路:C(t)=(m-\frac{q}{k})e^{-kt}+\frac{q}{k} を通り、
T_{1} \leq t \leq T_{1}+T_{2} で、
経路:C(t)=(M-\frac{q}{k})e^{-k(t-T_{1})}+\frac{q}{k} を通り、
これを繰り返すことになります。
ちなみに、T_{1}=\frac{1}{k}log\{\frac{q-km}{q-kM}\}T_{2}=\frac{1}{k}log\{\frac{M}{m}\}です。
このとき、投与量の時間平均はq(t)\times\frac{T_{1}}{T_{1}+T_{2}} となり、
具体的には q\times\frac{log\{\frac{q-km}{q-kM}\}}{log\frac{M}{m}+log\{\frac{q-km}{q-kM}\}}  となります。
q\longrightarrow\infty のとき、
q(t)\times\frac{T_{1}}{T_{1}+T_{2}}\longrightarrow k\times\frac{M-m}{log\frac{M}{m}} となりますが、
これは瞬間的に濃度mからMになるまで投与した場合の投与量の時間平均\frac{(M-m)}{T_{2}}と同じになります。

その間の振る舞いなのですが、
まず、x=\frac{m}{M} q(t)=(l+1)kMとおきます。(x\in(0,1) , l>0
すると、q(t)\times\frac{T_{1}}{T_{1}+T_{2}}=kM\times\frac{log(1+\frac{1-x}{l})^{l+1}}{log\{(1+\frac{1-x}{l})\times\frac{1}{x}\}}となります。
(1+\frac{1-x}{l})^{l+1} 、 \{(1+\frac{1-x}{l})\times\frac{1}{x}\}とも1より大きくなります。
そこで、(1+\frac{1-x}{l})^{l+1}\div\{(1+\frac{1-x}{l})\times\frac{1}{x}\}=x(1+\frac{1-x}{l})^{l}をとり、
l>0をみたすxの関数とみると、x=0で0、x=1で1となります。
また、微分すると(1+\frac{1-x}{l})^{l-1}\{1-x+\frac{1-x}{l}\}>0となり単調増加なので
x\in(0,1) , l>0のもとで、1<(1+\frac{1-x}{l})^{l+1}<\{(1+\frac{1-x}{l})\times\frac{1}{x}\}
よって、[tex:kM\times\frac{log(1+\frac{1-x}{l})^{l+1}}{log\{(1+\frac{1-x}{l})\times\frac{1}{x}\}}