1章 introduction

Nowakの書いた生物の進化の数学モデルの本。
asin:B00J97FFRI:Evolutionary dyanamics]

1章は進化生物学の歴史と各章の紹介。
・進化生物学のだいたいの歴史
ダーウィン:進化の概念を形にした人。
メンデル:遺伝の公式の発見者。
ハーディ・ワインバーグ:その名を冠した(法医で聞いた)公式を作ったコンビ。
Fisher,Haldane,Wright:進化、選別、変異のモデル化。
木村資生:中立進化説を提唱。
ウィリアム・ハミルトン:血縁選択説を提唱。

確率論 シリンダー集合の意義

シリンダー集合(Cとする)とはコイン投げの有限回の試行といったものの結果の全体集合である。
Cは無限回の試行の結果の集合の部分集合(Ωとする)である。
シリンダー集合の集まりC'とするとき、(Ω、C')上の有限加法的測度μがとれる。
Cから生成される加法族(σ(C')とする)というのはCを含む最小のσ加法族のことである。

これらを前提にすると、ホップの拡張定理というものにたどりつく。E.ホップの拡張定理 - Wikipedia
つまり、μがσ加法性を保有してれば、σ(C')上の測度として使えるし、それは一意的に定まる。

シリンダー集合は測度の拡張のための道具ととらえられると思う。

歴史は「べき乗則」で動く 第8+9章

8章
恐竜の大量絶滅については諸説あるが、現在最も有力なのは隕石説である。
絶滅する種が少ない年代と多い年代が存在し、
少ない年代の原因は自然淘汰の力が大きいということで生物学者の意見はほぼ一致している。
しかし、マイケル・ベートンが各地質年代での絶滅した種を調べるとべき乗則が成立していた。
すなわち、絶滅した種の数に特別な数はなく、大量絶滅に特別な原因がない可能性が生じた。

9章
カリフォルニア大のキートとボストン大のスタンレーは北米の鳥の種ごとの個体数の変化がべき乗則に従っていることを発見した。
このことから生物は生態系のなかで相互作用しており、劇的に個体数が変わるメカニズムが内在していることが示唆された。
カウフマンは多くの分子同士が他の分子の合成反応を促進しあう自己触媒集合モデルAutocatalytic set - Wikipediaを生態系に応用し、「適応度地形」http://www.alife.cs.is.nagoya-u.ac.jp/~ari/stuff/papers/katetsu.pdfという考えを作り出した。
バクとスネッペンは頂点間の移動についてのゲームを作った。
他には食物連鎖に注目して、階層に分類してべき乗則を再現したゲームが作られた。
一方で、あくまで気温や隕石といった外的な力によってべき乗則を再現したモデルも作られた。
結論からすると、現状ではどちらが原因かわかっていない。

MIKU

7/11の活動について。

メトロノームの運動のモデルをやった。
式としては以下の通りになる。
ml\ddot{\theta}=-mg\sin\theta-\mu l\dot{\theta}+r
rは以下のように定める。
\omega>0,\theta_{1}<\theta<\theta_{2}のとき、r=r_{0}(1-\cos(\frac{2\pi(\theta-\theta_{1})}{\theta_{2}-\theta_{1}}))
\omega<0,-\theta_{2}<\theta<-\theta_{1}のとき、r=-r_{0}(1-\cos(\frac{2\pi(\theta-\theta_{1})}{\theta_{2}-\theta_{1}}))
それ以外のとき、r=0

以前2階の微分方程式を解くパッケージが見つからなかったが、
2階の微分方程式は1階連立微分方程式で表現できるので、odesolveで解けるみたいだった。

#パッケージを読み込む
library(odesolve)
#パラメーターの設定
g<-9.8
l<-1
u<-1
m<-1
parms<-c(g,l,u,m)
t<-c(0,0.01*(1:1000))
#加える外力
a<-0.25
b<-2*pi/0.09
c<-0.01
myf<-function(y){
if((y[1]>0.01)&(y[1]<0.1)&(y[2]>0)){myf<- a*(1-cos(b*(y[1]-c)))}else{
if((-0.01>y[1])&(-0.1<y[1])&(y[2]<0)){myf<- -a*(1-cos(b*(y[1]-c)))}else{myf<-0}}
return(myf)}
#微分方程式
dydt<-function(t,y,parms){
with(as.list(parms),{
dy1<- y[2]
dy2<- -g*sin(y[1])/l-u*y[2]/m+myf(y)
list(c(dy1,dy2))
})
}
#解いてみる
Y<-lsoda(c(0.09,0),t,dydt,parms)
plot(Y[,2],Y[,3],xlim=c(-0.1,0.1),ylim=c(-0.3,0.3))

図は以下の通りになった。

歴史は「べき乗則」で動く 第7章

かつて濃縮ウランの実験をしたとき、エンリコ・フェルミは制御棒を使用して臨界状態限界直前まで調整した。
鉄磁石と同様に、すべての事象が自然に臨界状態に至るわけではなく、調整が不可欠になる。
砂山モデルの場合、組織構造に「回復力」があるために臨界状態に至った。

アメリカの森林火災の消失面積について、ブルース・マラマッドらがべき乗則を発見した。
2次元平面の格子点にそれぞれある確率で木を配置し、ランダムに火元を落として隣の木に火が移っていく様子を表したモデルと同じ分布を示した。
余談だが、森林局は大規模な山火事を予防するために初期段階での消火に力を入れた。
その結果、却って老木や落ち葉といった可燃物がたまってしまい大規模な火事が起こりやすくなってしまった。
これをイエローストーン効果というらしい。
上のモデルでいうならば木の配置の確率を上げてしまい、いたるところに火が移ってしまうことになる。

バッタの大量発生、はしかの感染者数も同様のモデル化で同じ分布が得られる。
(今週のMIKUでは微分方程式でバッタを見てみたが、
大発生の規模の変化を考えるとr,kを時間依存させる必要があるように思われた。)

砂山モデルの「回復力」は自然と成立するものではない。
非平衡下にあっても臨界状態とはならないものは数多くある。
例えば、砂山モデルでも雪崩が終わる前に砂を落とす(砂を落とす感覚を早くする)と臨界状態は成立しない。
さらに、砂粒よりも米粒のほうが粘度が高いために実際の雪崩に近くなる。
つまり、外部から加わる作用が非常にゆっくりであり、個々の要素の振る舞いが他の要素との相互作用にのみ支配されてる場合に自己組織的臨界状態に至る。

さらに、後の章になるがもう一つ自己組織的臨界状態に至る過程がある。

MIKU

今日の活動について。
骨盤をRで書こうというテーマで葛藤。

t=0:99999
x=sin(0.01*pi*t)
y=cos(0.01*pi*t)
z=0.00005*t
library(rgl)
x1=c(2.5,2.5,-2.5,-2.5,2.5,2.5,-2.5,-2.5)
y1=c(2.5,-2.5,2.5,-2.5,2.5,-2.5,2.5,-2.5)
z1=c(0,0,0,0,5,5,5,5)
plot3d(x1,y1,z1,col='white')
a1=c(cos(3/2*pi+1/3*pi),sin(3/2*pi+1/3*pi),1)
a2=c(cos(3/2*pi-1/3*pi),sin(3/2*pi-1/3*pi),1)
l1=((cos(3/2*pi+1/3*pi)-x)^2+(sin(3/2*pi+1/3*pi)-y)^2+(1-z)^2)
s1<-which(l1<(1/3)^2)
plot3d(x[s1],y[s1],z[s1],col='white',add=T)
l2=((cos(3/2*pi-1/3*pi)-x)^2+(sin(3/2*pi-1/3*pi)-y)^2+(1-z)^2)
s2<-which(l2<(1/3)^2)
plot3d(x[s2],y[s2],z[s2],col='white',add=T)
plot3d(x,y,z,add=T)

次は骨盤上口の形を変えたい。

あとphomで穴の数を特定したい。
そのためにある数の集合から特定の数を引けるようにしたい。

歴史は「べき乗則」で動く 第6章

この章で扱ってるのは相転移についての臨界状態から導かれる普遍性を扱ってました。

相転移相転移 - Wikipedia状態にある物質は臨界状態にある。
カピッツァによって発見された超流動超流動 - Wikipedia
超流動体は複数の粒子がまとまって存在しているそうで、ここにフラクタル性があるらしいです)
ウィリアム・ギルバートによって記された鉄磁石の性質404 Not Found
鉄磁石についてオンサーガーが統計力学を用いて詳しく解析しようとしたが、鉄原子そのものが互いに影響を与えるためにうまくいかなかった。
しかし、カウフマンの手を借り、モデルをさらに簡略することでべき乗則が成立することを導いた。

レオ・カダノフはこれらの事実をまとめ、臨界状態にある物質のべき乗則の値は、その物質の形状と存在する次元だけによって決まるという法則を見出した。
ここで臨界的思考というものが成り立つ。
つまり、個々の物体の形状や、存在する次元を見極めて、どの普遍性クラスに属するかを導くことである。
これを見極められれば、べき乗則の値を知ることができる。