歴史は「べき乗則」で動く 第8+9章

8章
恐竜の大量絶滅については諸説あるが、現在最も有力なのは隕石説である。
絶滅する種が少ない年代と多い年代が存在し、
少ない年代の原因は自然淘汰の力が大きいということで生物学者の意見はほぼ一致している。
しかし、マイケル・ベートンが各地質年代での絶滅した種を調べるとべき乗則が成立していた。
すなわち、絶滅した種の数に特別な数はなく、大量絶滅に特別な原因がない可能性が生じた。

9章
カリフォルニア大のキートとボストン大のスタンレーは北米の鳥の種ごとの個体数の変化がべき乗則に従っていることを発見した。
このことから生物は生態系のなかで相互作用しており、劇的に個体数が変わるメカニズムが内在していることが示唆された。
カウフマンは多くの分子同士が他の分子の合成反応を促進しあう自己触媒集合モデルAutocatalytic set - Wikipediaを生態系に応用し、「適応度地形」http://www.alife.cs.is.nagoya-u.ac.jp/~ari/stuff/papers/katetsu.pdfという考えを作り出した。
バクとスネッペンは頂点間の移動についてのゲームを作った。
他には食物連鎖に注目して、階層に分類してべき乗則を再現したゲームが作られた。
一方で、あくまで気温や隕石といった外的な力によってべき乗則を再現したモデルも作られた。
結論からすると、現状ではどちらが原因かわかっていない。